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ネットで「おススメのジャズ」を検索するときに頭に入れておいた方が良いことを4つ挙げます

  • 2024年9月29日
  • 読了時間: 17分

 

 こんにちは、田中です。


 ジャズ初心者に向けて「最初はこんなジャズを聴くと良いですよ」という情報は、ネット上でたくさん入手することが可能です。それ自体は素晴らしいことだと思いますし、あまたあるジャズの音源で何から手を付けて良いか分からない人からすると、渡りに船でしょう。


 ただし、初心者の人がそういった情報を参照するときに、一応頭に入れておいた方が良いだろう。と思うことを私なりに書いていきたいと思います。なぜなら、そういったおススメ情報というのは実に多様であり、ただ闇雲に眺めていても、逆に混乱して、何を聴けば良いか分からなくなってくる可能性があるからです。


 この記事を読むことで、ネットで検索できる「初心者におススメのジャズ」のような情報に接する時に、そこに記載されたアルバムや曲に引っ張られ過ぎないように意識を働かせることができるようになるでしょう。それと同時に、より自分に合ったジャズは何かが分かるようになるはずです。


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先に意識すると良いポイント4つを書いておきましょう。


その1:完全に鑑賞目的のおススメかどうか

その2:名盤=ピアノが活躍ではない

その3:紹介者の好み

その4:1つのサイトで満足しないで色々見てみる


・番外編:私のおススメするジャズ初心者のための作品 5選


それでは、一つずつ見ていきます。


 

・その1:完全に鑑賞目的のおススメかどうか

 

 ネットで検索できるおススメのジャズの情報ですが、紹介者自身はジャズをほとんどあるいは、全く演奏しない人の情報かどうか。というポイントです。

これがなぜ重要かというと、聴きやすさと演奏面において基礎的かどうかは、必ずしも相関関係がないからです。


 簡単に例を挙げましょう。エヴァンスのワルツフォーデビーですが、テーマが長く、構成がとても難しい曲です。通常セッションでコールされて演奏されることはほとんどありません。バドパウエルのクレオパトラの夢ですが、♭が7つ付いています。オスカーピーターソンのYou Look Good to Meですが、市販のリードシートを見たことがありません。ニカの夢は♭だらけでmM7というコードが連発する、ビートの切り替えがある難曲です。


 もちろん、優れた音源をたくさん聞けば、それだけでジャズを理解したり親しむ上で、役に立ちます。しかし、残念ながら、その聞きやすい名演をすぐに練習教材にしたり、お手本にできるかと言うと、話は別なのです。


 クラシックでも、英雄ポロネーズや月光の第3楽章をただカッコイイと思って聞くのと、自分が弾かなければならないのとでは雲泥の差があります。


 言い方を変えれば、自身にとって無条件で聞きやすくて好きだという音源でなくとも、場合によっては、初心者がジャズの上達のために聴くべき音源があったりするものです。その聞くべき音源が、歴史的名盤である場合も確かにありますが、そうでない場合も多いと感じています。自分が好きで、しかもその上、学習にも最適という音源があれば最高ですが、意外とそのスイートスポットは簡単には見つかりません。


 では、いわゆる名盤に名を連ねていなくとも、聴くべき音源の例を挙げておきましょう。例えばですが、好みは別として、ハンク・ジョーンズが名ピアニストであることに異論をはさむ人はいないと思います。ミスター・スタンダードの異名の通り、実に多くのスタンダード曲を演奏することでも知られています。


 この中には、ジャズマニアの中ではあまり評価が高くない、聴きやすいスタンダードをとにかく弾きまくった作品があったりするものです。(もう少し具体的に言うと、90年ごろのマッズ・ヴィンディングとビリー・ハートとのシリーズものです。)

 

 こういった作品を聴くことで、セッションで演奏されるスタンダードを多く知ることができるでしょう。また、ハンク・ジョーンズのスタイルも、比較的解釈しやすい音使いであり、学びやすいことが多いと思います。ただし、手が非常に大きいので、演奏の物理的な面では大変な部分があることはお断りしておきます。


 似た様な内容では、ケニー・ドリューのバイ・リクエストのシリーズも当てはまるかと思います。


 

・その2:名盤=ピアノが活躍ではない


 あなたがどのようなジャズをやりたいかによって、様々な考えがあることは承知しています。それでも、ジャズをやる上で、ピアノのお仕事はバッキング(コンピング)が大きな割合を占めますし、フロントがいる状態での演奏がどのようなものか知っておくほうが良いに越したことはないです。セッションにおいても(フロントの参加者が少なかったという場合を除き)、わざわざピアノトリオでの演奏機会が設けられるかと言うと、珍しいでしょう。


 しかし、私の様にピアノという楽器が好きで、ジャズにおいてもピアノを楽しみたいという思いが大きい人は、このポイントも見落としてはいけません。


 例えば、以前どこかの記事にも書きましたが、コルトレーンが好きな人にとっては、アルバムGiant Stepsは世紀の名盤かもしれませんし、実際そうだと思います。このアルバムが「初心者のおすすめ」に入ってくるかは別として、さて、このGiant Stepsのトミフラが好きだというピアノファンがどれほどいるか疑問です。


 頑張っているのが良いとか、そういった方向性ではなく、この演奏が素晴らしくよく弾けたアドリブである、という意味においてです。多分、いたとしてもかなりの少数派でしょう。これを聴くなら、後年、トリオで録音した作品を聴いた方が、少なくとも演奏の流暢さという意味では比較になりません。


 同様に、マイルストーンズのソロ裏で、ずっとテーマのメロディをバッキングしているガーランドが好きな人がどの位いるでしょう。また、その昔、好きなソニクラを目当てに買った、デクスターの「名盤」であるGOでは、ソニクラのソロ尺の短さに私はガッカリしました。


 逆に、それでもよく聞いたのは、リー・モーガンの「Candy」であり、他の記事をお読みの方なら既にお気づきの様にブルー・ミッチェルの「Blues Moods」です。なぜなら、私はCandyやI’ll Close My Eyesが大好きだし、これらの曲でかなりしっかりピアノがソロを弾いているからです。


 まあ、このように、管楽器がリーダーですと、その辺りのバラツキもかなり幅があるわけですね。そういう意味ではピアニストがリーダーであれば、前半に述べたような事態は基本的に回避できるのではないでしょうか。


 ついでに書いておくと、ブレイキーのMoanin’も素晴らしいですし、まさに「初心者におススメ」の常連名盤ですが、少なくとも、この曲でピアノを堪能したい場合、とりあえずボビー・ティモンズがトリオでやっている演奏の方がおすすめです。しかし、残念ながらこちらのアルバムがブレイキーのMoanin’に匹敵するレベルで「初心者におススメ」されることはないと思われます。


 そして、自慢ではないですが、私は今まで、ロリンズの「サキコロ」も、マイルスの「カインドオブブルー」も「リラクシン」もまともに聴いたことはありません。


 あと、「サムシンエルス」は手放しました。そういえば、これもピアノはハンクですね。


 ただし、この辺りは、視点を変えれば結果が変わってくる可能性もあって、ピアノが活躍しているけれども、周りがそうでもない。という場合はあるかもしれません。たとえば、バドはトリオでも基本的にベースのソロを弾かせないし、バースも珍しいです。


 誤解の無いようにもう少し補足しておくと、私は、ピアノ以外が活躍しているのが嫌なのではありません。ピアノの活躍が少ないのが嫌なのです。ですから、フロントがいるものも聞きます。



 

・その3:紹介者の好み


 ここまでの2つのポイントで既に何となく示唆しており、他の記事「スポーツの3原理5原則とピアノの練習の関係」

でも述べてきましたが、結局、紹介者の好みの影響も避けて通れません。


 当然、なるべく中立的に、紹介者なりに聴きやすいと思われる盤を紹介しているでしょうし、全く手掛かりがない人からすれば、そういった情報も重要であることは承知しています。ただし、あくまで、その情報を参照するときに、この人による好みの違いを忘れないようにして頂きたいのです。


 私もこれまで、一般的にはワルツフォーデビーより人気がないし、聴きやすいとは言えない「パリコンサート」に感銘を受けたジャズ初心者や、全盛期の鬼気迫るバドが大好きな若い女の人に会ったことがあります。本当に人それぞれです。


 一応補足しておきますが、私は好みが違う人の意見に反論をしたり、自分の好みを布教したいというわけではありませんので、その点、しっかりご理解下さい。そもそも、私の好み自体が、ピアノに相当偏っています。


 音楽なのだから好みがあって当たり前。人によって違うことなど分かった上で見ている。という反論もあるかもしれません。それであれば良いのですが、一言にジャズといっても、一言でJ-POPと言っているのと同じ位、曖昧な表現である。ということは頭に入れておくことを推奨します。


 要するに、もしおススメされている中から「良い」と思えるものがなかなか見つからなくても、そう簡単にあきらめてはいけないということです。むしろ私から言わせれば、現在の日本のポップミュージックの多くよりも、ピーターソンとジーン・ハリスの区別の方がよほど分かりやすいです。


 

・その4:1つのサイトで満足しないで色々見てみる


 これは若干、その3と通じる部分はありますが、当然、サイトの紹介者によって、推薦する内容に違いがあります。結果、様々なサイトを見る方が情報は多く手に入ります。情報は量より質が問題になりますが、中には、千枚単位のジャズのレコードが頭に入っているジャズバーのマスターが、長年お客さんと接してきて、その結果、おススメしている物があるかもしれません。


 あるいは、プロのジャズミュージシャンがこれまで多くのレッスンをしてきた経験からおススメしているものなど、貴重な情報も見つかるかもしれません。(注:上記は例えです。実在のサイトを示唆しているわけではありません。)


 しかし、それでも、人によって勧める内容は違います。ですから、ある一つの情報源を元に聴いてみた結果、自分の好みに合わなくても諦めてはいけないのです。あるところでは絶賛されていても、他では全く触れられていないということもあり得ます。


 一方で複数のサイトを参照する時、一番気を付けたいのが、複数の所で推薦されている内容が果たして本当に聴くべきものなのかどうか。それを好きだと思えない場合、ジャズには向いていないのか。ということです。


 決してそんなことはありません。もちろん、ジャズにはお決まりの名盤や誰もが知っているような作品はあります。そういった作品が複数個所でおススメされている可能性は高く、ジャズを聴く人の中で、その作品が好きだという人に出会う確率は高いでしょう。


 しかし、ここで二つ、考えてみて下さい。一つ目は、この記事でここまで書いてきた内容を思い出して頂きたいということです。


 そしてもう一つは、その作品が本当に、あらゆるサイトで漏れなく、百発百中で必ず紹介されているか、よく見て頂きたいのです。おそらくそんなことはないでしょう。


 つまり、結局、どれほど名盤だと呼ばれていても、複数のサイトで紹介されていても、響かない人には全く響かないということです。そして、それが響かないのは、別にジャズが好きになるかどうかとは全く関係ありません。


 最初は右も左も分からないのが当然ですから、是非色々なサイトを面倒だと思わずに見てみましょう。そうすることで、段々と、何処のサイトの情報が自分に合うとか、合わないとか、そういったことも分かるようになってきます。


 その過程を経ることで、徐々に自分の好みも分かります。また、聴き続ければ次から次へと聞きたい作品が出現し、幸か不幸か、キリがないことにも気づくはずです。世の中には、素晴らしい作品がたくさんありますので、安心してジャズを聴き始めて頂けばと思います。



 

・番外編:私のおススメするジャズ初心者のための作品 5選

 ここまで書いておいて、自分が何も示さないのはよろしくないので、私なりにおススメの作品を挙げていきます。ただし、予めおことわりしておきますが、あえて、ド定番は外しました。しかし一方、隠れ名盤コーナーほど個性的ではありません。そして、本記事の「その1」で言及した「鑑賞目的かどうか」という点は、個別に注釈入れます。


 人によっては、初心者にいきなりこんなものを勧めたら、ジャズが嫌いにならないか?と思う作品も入っているかもしれません。(大丈夫だと思いますけど。)嫌いになられては困りますが、その場合は、ここの情報は読み流して頂き、もう少しジャズを聴きなれた頃に、またお読み頂けたら幸いです。


 注意としては、市場のCDや音源の入手難易度まで考慮していません。ただ、最近はサブスクで、大抵の音源は聴けると思います・・・


◆小曽根真 「スプリング・イズ・ヒア」

1ビューティフル・ラブ

2スプリング・イズ・ヒア

3サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム

4君住む街で

5夜は千の眼を持つ

6マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ

7オー・グランデ・アモール

8タンジェリン


 小曽根さんが若い時の作品。スタンダードを比較的分かりやすく料理しています。小曽根さんは、どちらかと言うとオリジナル曲で聞かせる傾向が強く、また、ネイチャーボーイズやリボーンといったスタンダード集のような作品も、曲のアレンジやアドリブのリズムが凝っているので、場合によって難解に感じる可能性があると思っています。その点、この作品はキャリア初期だからか、まだその難解さがそこまで出ておらず、聴きやすいのではないでしょうか。ベースのジョージ・ムラツ、ドラムのロイ・ヘインズというメンバーも素晴らしいです。


 ついでになりますが、最近のソロ作品のOZONE60のスタンダード集の方も聞きやすいかと。


*鑑賞目的度:スタンダードを知るという意味で向いていますが、基礎的なボイシングやアドリブフレーズを学ぶには難しいかもしれません。部分的に気になる部分を真似てみる所から始めてみるのが良さそうです。


◆    Oscar Peterson 「Oscar Peterson Trio Plays」

1 The Strut

2 Let's Fall In Love

3 Satin Doll

4 Little Right Foot

5 Little Darlin'

6 Fly Me To The Moon

7 This Nearly Was Mine

8 Shiny Stockings

9 You Stepped Out Of A Dream


 ピーターソンの入門盤と言えば、「We Get Request」ですが、それの対抗馬です。もちろん、あれは大変名盤ですが、ちょっと聞きやすい方向に流れ過ぎているというか、ピーターソンの(良くも悪くも特徴的で)派手な演奏が控えめで、演奏が小振りにまとまり過ぎています。


 それに対して、これはフライミーやサテンドールも入っていて、聴きやすさは遜色ないと思っています。また、リル・ダーリンやシャイニーも入っており、ベイシーファンにとっても最高です。ナイトトレインでも良いですが、あちらは少しブラックミュージック集が強く、こちらはポップと言えます。


 この作品が好きだと思うなら、ピーターソンは好きでしょう。逆にダメなら、ピーターソンはダメだと思います。その位、ピーターソンはキャリア中の演奏が安定しています。ちなみに、メンバーはWe Get Requestと同じ、レイブラウンとシグペンですので、そこは折り紙付きです。


*鑑賞目的度:ピーターソンなので、技術的に非常に高度です。一方、理論的にそこまで難しいことをするタイプではないので、ある程度レベルが上がれば、メロディのハーモナイズ(和音付け)のアイデアとか、意外とパクれるかもしれません。


◆Bill Evans 「You must Believe in Spring」

1 B Minor Waltz

2 You Must Believe In Spring

3 Gary's Theme

4 We Will Meet Again

5 The Peacocks

6 Sometime Ago

7 Theme From M*A*S*H

8 Without A Song ※

9 Freddie Freeloader ※

10 All Of You ※


 これは、もしかするとそんなに意外性はないかもしれませんが、ポートレートやワルツフォーデビーを差し置いて挙がるものではないでしょう。私、エバンスはラストトリオ以外そこまで聞き込んでおりません。

 

 従って、このアルバムの時のエバンスがどんな状況なのかとかは知りません。妻がどうしたとか、兄がどうしたという時期だったはずですが、細かいことはともかく、月並みな言葉を使うと、非常に美しいとか、夜に落ち着いて聞きたいとか、そんな雰囲気の作品です。


 エバンスの魔法のようなハーモニーを堪能できるアルバムです。少なくとも、昼間、仲間とワイワイホームパーティをする時にバックで流したい人はいないでしょう。


 これと、先のピーターソンの二つを並べただけで、ジャズと一言でくくることに無理があることが分かるかと思います。


 ちなみに※印はボーナストラックで、本編と完全に別物であり、下手に連続で聞くと、本編の雰囲気を台無しにします。嫌う人はプレイリスト等から外したり、再生を停止すると良いでしょう。

ベースはエディ・ゴメス、ドラムはエリオット・シグモンド。


*鑑賞目的度:個人的に、余程、自分のライブでこの曲をやりたい場合または、エバンスマニアでなければ、聴き専になるでしょう。


◆Kenny Barron 「Minor Blues」

1 Minor Blues

2 Beautiful Love

3 Emily

4 For Heaven's Sake

5 How Deep Is the Ocean

6 Too Late Now

7 Don't Explain

8 Hush-A-Bye

9 I've Never Been in Love Before

10 My Ideal


 ビーナスレコードで、聴きやすいです。Beautiful Loveは動画サイトでも、このテイクのコピーをちょこちょこ見かけるような気がします。最初の小曽根さんのものと比べてみても面白いかもしれません。


 この類似作品に、同じくビーナスからスーパースタンダードみたいな作品がありますが、メンバーが少し違うのと、契約名義の関係でケニー・バロン・トリオではなかったはずです。こちらもスタンダードをたくさん弾いているので、場合によっては曲の好みでどちらか選んで聞いてみるのでも良いでしょう。


 こちらのベースはジョージ・ムラツ、ドラムはベン・ライリー。ムラツとケニー・バロンの共演は少し珍しい気がします。


*鑑賞目的度:最初に書いたように、コピーがYouTubeで上がる位ですし、私も随所で述べているように、ケニーバロンは耳コピしやすい部類のピアニストです。ただし、モード時代を経て、70年代の音楽を消化しているため、場合によって、そういった音使いをされると、そこは一気に難しくなります。とはいえ、この作品ではそういった表現は抑えられ、勉強になることが多いと思います。


◆Wynton Kelly 「Full View」

1 I Want a Little Girl

2 I Thought

3 What a Diff’rence a Day Made

4 Autumn Leaves

5 Don't Cha Hear Me Callin' to Ya

6 On a Clear Day (You Can See Forever)

7 Scufflin'

8 Born to Be Blue

9 Walk on By


出ました、ウィントン・ケリー。名サイドマンであり、トリオのリーダー作は少ないですが、リーダー作から一つ。別に他のものでも良いのですが、特にKelly Blueだと他で挙がっている可能性大ですし、ピアノトリオ以外も入っているので。


 古き良きスイングしまくりのピアノトリオということで、モダンジャズ代表で登場してもらいました。ベースはロン・マクルーア、ドラムがジミー・コブです。


*鑑賞目的度:ウィントン・ケリーなので、教材としても最高です。枯葉が入っているのも良いですね。ただし、ウィントン・ケリーの枯葉はあのシンプルな4度進行ではなく、若干のリハモが入っています。あと、多くのジャズ初心者が憧れる、ウィントン・ケリーのノリや八分音符、フレーズですが、とても習得は難しいです。



 

 とりあえず、5つ、ピアノトリオに絞って挙げました。もちろん、これ以外にもここに挙がるのにふさわしい作品はたくさんあります。ただ、この5つを聴くだけでも、ジャズの多様さが分かるのではないでしょうか。この5つ全て大好きになる必要もないですし、おそらくそうなることは非常に珍しいことだと思います。


 むしろ、アルバム一枚どころか、これらすべての曲から、数曲程度、お気に入りが見つかれば収穫だと言えるかもしれません。その位の気楽さで聞いてみて下さい。そこを起点に是非、色々と聞いてみて、ご自身の好みを見つけて頂ければと思います。


 ちなみに、もう少し本質的なおススメと言う意味では、

という記事も併せてお読み頂ければと思います。


 こちらは、自分が弾くことを視野に入れつつ、鑑賞目的だけの場合でも参考になるような内容になっているかと思います。



 

最後にまとめますと、初心者にジャズの名盤をおススメするサイトを見る場合は、是非以下のポイントを頭に入れながら読んでみてください。


・その1:完全に鑑賞目的のおススメかどうか

・その2:名盤=ピアノが活躍ではない

・その3:紹介者の好み

・その4:1つのサイトで満足しないで色々見てみる


私が挙げる、初心者におススメな作品5つは

小曽根真 「スプリング・イズ・ヒア」

Oscar Peterson 「Oscar Peterson Trio Plays」

Bill Evans 「You must Believe in Spring」

Kenny Barron 「Minor Blues」

Wynton Kelly 「Full View」

です。世間的なド定番ではありませんが、比較的聞きやすいと思います。


今回の記事があなたの役に立てば幸いです。


 

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