
隠れ名盤紹介 その7
Lee Konitz 「Jazz Nocturne」
さすが、日本人好みのレーベル、ヴィーナスレコード。スタンダードだらけで聞きやすいです。とはいえ、このメンバーですので、ただ聞きやすいだけの巷のオシャレジャズにとどまりません。
ケニーバロンも、スタン・ゲッツグループを経て、すっかり人気者になり始めた時期で、Everything happens to meでのデュオでは、その伴奏力を遺憾なく発揮しています。Mistyをミディアムスイングでやっているのも面白いですね。ノクターンというタイトルから分かる通り、全体的に、白昼ワイワイ盛り上がる雰囲気ではなく、落ち着いた、ろうそくが似合いそうな作品です。
1 You'd Be So Nice to Come Home to
2 Everything Happens to Me
3 Alone Together
4 Misty
5 Body and Soul
6 My Funny Valentine
7 In a Sentimental Mood
Lee Konitz:as
Kenny Barron :p
James Genus :b
Kenny Washington :d
Michel & Tony Petrucciani 「Conversation」
親子共演ですが、個人的に、親父様は共演と呼べるレベルに達していないと考えます。いや、決して貶めたいわけではないので誤解なきよう。確かに、幼少期の息子にピアノの指導をして世界的なピアニストへの道を開拓した、その功績は非常に大きいです。が、それとこれとは話が別です。
人によってはこのギターを評価しているようですが、私としては、親の七光りならぬ、子の七光り。もちろん、ペトルチアーニと共演し、少なくないであろう聴衆を前に、これだけのパフォーマンスをするのですから、並みの腕ではないでしょう。けれども、親子の縁を使わずして、ペトとまともに共演できるレベルとはとても思えません。
速いテンポではアドリブは付いていくのが精一杯、曲によってはテーマのメロディを(フェイクではなく)外しているとしか思えず、息子の助力なしに、聴衆を沸かせることは難しいでしょう。ということで、演奏の内容としては、デュオというより、半ばピアノソロと捉えています。それにしても、サマータイムやAll the thingsにおける、淀みなく創造的なアドリブは聞いていて非常に気持ち良いです。
親父様には偉そうなことを言いましたが、私がタコ耳で、そのすごさに気付いていないだけかもしれません。いずれにせよ、親子共演の記録として、貴重な音源だと思います。
1 Summertime
2 Sometime ago
3 All the things you are
4 My funny valentine
5 Nuages
6 Nardis
7 Michel's blues
8 Someday my prince will come
9 Billie's bounce
10 Satin doll
Michel(p) & Tony Petrucciani (g)