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隠れ名盤紹介 その3

Phineas Newborn Jr. 「Solo Piano」

 驚異の天才ピアニスト、フィニアス・ニューボーンJr.。おそらくこの時代に、左手をコードワークのみならず、これほど活用できたピアニストはそういないでしょう。

 

 しかしこれほどの才能を持ちながら、今一つ知名度は上がりきらず、境遇も必ずしも恵まれたものとは言えなかったようです。良し悪しではなく、ピーターソンのような底抜けの明るさや楽しさとは異なる超絶技巧で、どこか欲求不満やうっ憤を隠しきれない切迫感を感じるものが多いです。

 

 このソロピアノアルバムは、1974年、全盛期と言える時期をとうの昔に終えた頃の録音で、ピアノの状態は悪く、フィニアスの状態も最悪だったとか。(録音の何日か前に、強盗に襲われて腕を折られ(!)、ギブスを着用して録音していたとの情報・・・)

 

 タイトル通りのソロピアノ曲集ですが、曲名登録も間違いだらけだし、どうなってるんだ状態です。とはいえ、そこはフィニアス、やはりその辺の平凡なピアニストとは一線を画した、鬼気迫る演奏です。でも、やはりどこか自暴自棄というか、やけくそというか、そういう感情が隠し切れない気がします。

 個人的に、4のニカズドリームが特別お気に入りです。この曲、全盛期の時期にも録音していて、そちらはもっとテンポが遅く余裕を持った演奏であり、でも当然技術的に安定しています。どちらが良いかは好みによると思いますが、私は、ぶっ壊れそうでもこちらの方が感情が迫ってくる感じがして好きです。他にも、非常にスローテンポだけれども美しいGiant Stepsなど、面白い解釈を聴くことができます。

1.Together Again

 →Up There

2.Serenade in Blue Where Is the Love

3.Lorraines Walk

 →Lover Walk/Willow Weep for Me

4.Nica’s Dream

5.Goodbye Flamingo

6.Live and Love (×One for Horace)

7.Bouncing with Bud

 → One for Horace

8.Memphis Blues

9.The Midnight Sun Will Never Set

10.Out of This World

11. Giant Steps/Everything I Have Is Yours/Where Is The Love

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